建設業は、2つの「一式工事業」と27つの「専門工事業」に区分されています。
そのうちの1つ、「専門工事業」の水道施設工事業について説明します。
水道施設工事業の内容・例示、技術者の要件など、一般建設業許可を受ける事業主の方はご参考ください。
水道施設工事業の内容・例示とは
水道施設工事業とは、上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事です。
具体的な工事として、
取水施設工事
浄水施設工事
配水施設工事
下水処理設備工事
が例示されています。
建設工事区分の考え方
①上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』、『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方
●公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事
『土木一式工事』に該当します。
●家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事
『管工事』に該当します。
●上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事
『水道施設工事』に該当します。
●農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事
『土木一式工事』に該当します。
②し尿処理に関する施設の建設工事における『管工事』、『水道施設工事』及び『清掃施設工事』間の区分の考え方
●規模の大小を問わず浄化槽(合併処理槽を含む。)により、し尿を処理する施設の建設工事
『管工事』に該当します。
●公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事
『水道施設工事』に該当します。
●公共団体が設置するもので汲取方式により収集された、し尿を処理する施設の建設工事
『清掃施設工事』に該当します。
【一般建設業許可】水道施設工事業の技術者の要件
下記の4つのうち、いずれか1つを満たせば技術者になれます。
一定の国家資格等を有する者
一級 土木施工管理技士
二級 土木施工管理技士(土木)
上下水道・総合技術監理(上下水道)
上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)
衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)
衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)
国土交通大臣が個別の申請に基づき認定した者
所定学科を卒業した後、実務経験を有する者
高校(所定学科)卒後、5年以上
大学、専門士、高度専門士(所定学科)卒後、3年以上の実務経験を有する者
●所定の学科
土木工学
建築学
機械工学
都市工学
衛生工学
実務経験についてはこちらの記事に記載しております。
10年以上の実務経験を有する者
10年以上の実務経験があれば、上記の国家資格や学歴は必要ありません。
ただし、10年分の実務経験の確認書類が必要です。
●必要な確認資料
・請求書等(年1件以上)
・当時の常勤確認書類(年金記録、または、保険証)
※許可業者での専任技術者経験がある場合のみ必要
ただし、福岡県知事許可業者での経験に限る
・当時の許可書
・当時の専任技術者証明書
・当時の実務経験証明書
実務経験要件の緩和
10年以上の実務経験に足りない場合、指定業種とあわせて12年以上(うち許可業種が8年超)あれば大丈夫です。
水道施設工事業の場合、
「水道施設工事業」で8年超の実務経験かつ「土木一式工事」で4年以上の実務経験です。
※実務経験の期間は、複数の業種を重複してカウントできませんのでご注意ください。
まとめ
水道施設工事業とは、上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事です。
技術者になるには、4つ(資格・学歴+実務経験3or5年・実務経験10年・実務経験要件の緩和)のうち、1つの要件を満たす必要がある。
いかがだったでしょうか?
技術者の要件を満たしているかを手引きやガイドラインだけでは判断が難しい場合がございます。
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